本記事は私が令和3年度10月に受験した所得税法能力検定1級と2級の受験記となっております。
なお、本資格試験は令和4年度以降出題方法が変更されており、現行試験を受験される方にとっては参考にならない箇所も多いと思います。それを踏まえた上でご覧頂ければと思います。
所得税法能力検定とは
全国経理教育協会が主催しております所得税法の検定試験です。
所得税の基本である個人事業主や新入社員などが身につけたい
https://www.zenkei.or.jp/exam/incometax
税務処理ができる知識や、実務での応用的税務処理など、
所得税に関する計算を問う検定試験です。
所得税法能力検定は3級から1級と分かれております。
合格条件は各級ともに100点満点中70点以上となっております。
使用教材
過去問題集
全国経理教育協会の公式サイトのみで購入可能となっております。
1級は過去問題7回分+サンプル問題が収録されています。
過去問題集はこれのみなので購入はマストです。
テキスト
本資格において対応しているテキストは存在しませんが、それだと心許ないので、私は以下の所得税の本を購入し、テキスト代わりとしました。入門と名の付く通り、基礎的な事項から分かりやすく説明してくれます。ただし索引が無いのが残念。
勉強法
当初は3級を受験する予定で過去問を購入しました。意外と難しく感じなかった為、2級、1級と順番に問題集を購入していきました。
とにかく本資格はとにかく過去問に触れて繰り返し解く事が大事だと思います。
最終的には3級の過去問を1週、2級を2週、1級を3週して試験に臨みました。
特に苦労した点
・貸倒引当金繰入額
個別評価と一括評価と分けて考え、更に年末債権から債権と見られないものの額を引いて55/1000する、と言うのが最初解説読んでもなかなか理解出来ず、何回も繰り返し問題と解いていくうちに理解しました。債権とみられないものの額が原則法と簡便法の少ない金額とするというのも、解説読んだだけでは理解出来ず、ググって理解することができました。
・平均課税
計算過程が非常に長く、配点も10点なので捨てようかとも思いましたが何度も過去問を回してなんとか解答出来るように。
・交換の特例適用
小問で出るケースがあり、やや計算の過程を覚えるのに苦労しました。
勉強時間
約60~80時間
既にFP2級、税務3級を持っている上でしたので、所得税の基礎知識が無い方の場合は更にプラス数十時間は必要かと思います。特に初学者の方は3級や2級からの学習をおすすめします。
試験結果
2級:98点 合格
1級:90点 合格
問題用紙は持ち帰れませんが、翌日以降に問題用紙がHPにアップされますので、それを参考にして自己採点をした結果と全く同じ点数でした。
2級は大問1の空欄選択を1箇所だけ間違えたものです。1級は大問4のみ10点落としてしまったようです。
現行試験について
なお、本資格試験は令和4年度以降出題方式が大きく変わっております。詳細については以下のリンクからご確認ください。
私が受験した際は税計算の流れを実際に具体的な数値を使用しながら計算を行えるようになる問題が主なので、非常に良い資格試験だと感じました。
現行試験については、2級までは従来の方法と大きく代わりは無いとの記載がありますが、1級は大きく変わっているようです。1級の改正後の合格率を見ると全ての回で10%未満であり、改正後初回は合格者が0人と、税理士試験受験者を対象にしたいのかなという考えも見て取れます。
個人的には税理士試験を目指す方以外ですと2級までで充分だと感じました。
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