「家系図を作ってみたいけど、何から始めたらいいのか分からない」
「戸籍である程度までは遡れたけど、そこから先は行き詰まっている」
そんな方にこそ読んでほしいのが、今回レビューする『家系図つくってみませんか?(ポプラ新書)』です。
本書籍購入の経緯~戸籍事務経験から家系図づくりへ~
私自身、自治体で6年間戸籍事務に携わっていました。
その際、勉強のためと興味本位から、自分の戸籍を辿り、家系図を作成した経験があります。
当時はまだ「戸籍の広域交付制度」はなかったため、各地の役所に郵送で戸籍を請求し、そこから前の戸籍を確認してはまた請求する……そんな地道な作業の繰り返しでした。
最終的に、父方の祖先は文化3年(1806年)生まれの人物が確認でき、更にその父親の氏名(生年及び没年は不詳)まで判明しました。
母方の祖先は、天保7年(1836年)生まれの人物が確認でき、更にその父親の氏名(生年は不詳、没年は文久2年(1862年))まで判明しました。
ここまでを行ったのが10年近く前の話。
最近になって、ようやく戸籍以上の調査を始めようと思い、同著者である丸山学さんが以前発行され、当時購入していた『先祖を千年、遡る』を改めて読み返していたところ、本書籍の存在を知り、購入するに至りました。
本書籍の感想
今回この本を読んで特に印象的だったのが、戸籍の広域交付制度の導入や、国会図書館デジタルコレクションなどの活用によって、戸籍以上の調査が身近になっているという点です。
私自身、戸籍で江戸時代のご先祖さま(文化3年・1806年生まれ)まで確認できていましたが、戸籍以上のことも、国会図書館デジタルコレクションで調査をすればより多くの情報が分かるのではないかと思いました。
また、紹介されている先祖調査の実例も、その先どうなるんだろう、先祖が分かるのだろうか?とワクワクしながら読み進めていました。
戸籍以上の調査には確かにハードルがあります。 現地調査、菩提寺調査や、古文書の閲覧──どれも根気が要るものです。
でも、この本を読めば「一歩踏み出してみようかな」と思えるような内容になっていると感じました。
まとめ:家系図づくりの世界を広げてくれる一冊
家系図作りは、「戸籍を集めて終わり」ではありません。
今や広域交付制度や国会図書館デジタルコレクションなどの力を借りて、誰でも手軽に始められ、そして深められる時代になりました。
この本はまさに、「家系図作りをしてみたい」と思わせてくれる書籍です。
「自分はどこから来たのか」「家族の歴史を知りたい」と思ったその瞬間が、家系図づくりのスタート地点です。
ぜひこの本を読んで、あなたも家系図作りに一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
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