はじめに
体調や家庭の事情により、フルタイム勤務が難しくなった私は、10年以上勤めた地方公務員を、休職中のまま退職しました。
この記事では、退職に至った過程、退職までの手続き、退職金、健康保険や年金の切替、そして退職後のことまで、実体験をもとにリアルに解説します。
退職理由|安定を手放す決断
体調の問題や家庭の事情から、フルタイム勤務を続けるのが現実的に難しくなりました。
最終的に、病気休職期間中に退職を決意。
安定した職を手放す不安はかなり大きかったです。
退職の申し出
退職を申し出たのは、退職日の約1か月前のことでした。
当時は休職中だったということもあり、手続きはすべて電話と郵送で進めることができました。
ただ、退職日を迎える前に一度、私物の引き取りと挨拶のために職場を訪れました。
退職挨拶の日はたくさんの方に挨拶することができ、「本当に人に恵まれた職場だった」と改めて感じた瞬間であり、長年勤めた場所を離れる実感が湧いたのもこのときでした。
提出した書類と退職手続きの流れ
以下は、私が実際に行った退職に伴うすべての手続きを時系列でまとめたものです。
※「退職前」と「退職後」の手続きを分けて記載しています。
退職前の手続き
手続き名 | 必要書類 | 提出先・対応先 | 備考 |
退職金額の確認 | – | 人事課 | 電話問合せ |
辞職願の提出 | 所定様式(全文直筆、理由は具体的に記載) | 所属長 → 人事課 | 郵送対応 |
退職所得に関する書類 | 各種申告書 | 人事課 | 郵送対応 |
健康保険・年金資格関係 | 資格喪失届 | 人事課→ 共済組合 | 郵送対応 |
健康保険証等物品の返却 | 健康保険証等 | 人事課 | 郵送対応 |
退職後の手続き
手続き名 | 必要書類 | 提出先・対応先 | 備考 |
健康保険・年金申請 | 組合員資格喪失証明書 | 配偶者の勤務先 | 健保は任意継続との選択可 |
児童手当 | 認定請求書 | お住まいの自治体 | 15日以内に申請 |
iDeCo手続き | 加入者被保険者種別変更届 | 楽天証券等 | 第3号被保険者として継続 |
共済保険の継続と新規加入 | 継続加入届(対象者のみ) | 人事課→共済組合 | 退職年度の6月まで加入継続、その後個人契約可 |
退職金額の確認
退職を決める上で気になったのが退職金の金額。
私は退職前に人事課に電話で問い合わせ、正式な支給予定額を教えてもらいました。
公務員の退職金については計算方法が明確に定められております。
自治体によって変わりますので、各所属にご確認ください。
退職金の振込については、「退職からおよそ2ヶ月後を目安に、指定口座へ振り込みます」とのことでした。
辞職願の提出
辞職願は、参考となる書式をもとに作成しますが、すべて自筆で記載する必要がありました。
一般的な「一身上の都合により」という表現は不可で、病気や家庭の事情など、具体的な理由を記載する必要がありました。
退職所得に関する書類
退職所得の振込先を指定する用紙に記入して提出しました。
また、退職所得の受給に係る申告書も提出しました。
健康保険・年金資格喪失
退職に伴い、共済保険・年金資格を喪失するための書類を提出しました。
健康保険証等物品の返却
健康保険証や職員証などの物品を返却しました。
健康保険・年金申請(退職後)
配偶者の扶養に入ることになっていたため、配偶者の職場を通して健康保険と年金の申請手続きを行いました。
配偶者の扶養に切り替え|保険証が使えず自費診療に…返金はできる?
扶養申請ができたのは、退職後、資格喪失証明書などが発行されてからでした。
したがって退職翌月の扶養に入る手続きが完了するまでの間は、医療機関は自費診療になってしまいました。
この場合、一旦10割負担となりますが、当月中に手続き後のマイナ保険証を医療機関に持参すれば、その場で返金対応してくれるとのことでした。
月をまたいでしまった場合は、おそらく健康保険組合とやりとりして返金する必要が出てくると思います。
児童手当申請
公務員を退職した方で、在職中に児童手当を受給していた場合は、お住まいの自治体で改めて児童手当の申請が必要です。
私自身も公務員時代に児童手当を受給していたため、退職後に、配偶者に児童手当の手続きを行ってもらいました。
申請先は居住地の市区町村役所で、提出したのは以下の書類です。
・児童手当認定請求書
・申立書(公務員退職)
・組合員資格喪失証明書
ただし、この手続きは退職日から15日以内に行わないと、手当が受け取れなくなる可能性があるため注意が必要です。
児童手当の申請は忘れず早めに済ませましょう。
iDeCo手続き
私の場合、iDeCoは楽天証券を通じて加入していました。
退職後も第3号被保険者として継続利用可能ですが、「加入者被保険者種別変更届」の提出が必要になります。
共済保険の継続と再加入
在職中に加入していた共済の生命保険ですが、退職年度の6月までは継続扱いで加入できるとのことです。
その後は、退職者向けの個人扱保険に退職月によっては加入することも選択可能でした。
フリーランスとしての新たな働き方
退職後、私はWebライター・ブロガーとしてフリーランスで開業しました。
今はまだ収入が不安定ではありますが、
- 退職金
- 配偶者の給与
- 必要最低限の生活費に対応できる貯金
という下支えがあったため、決して無理することなくスタートを切ることができました。
子育てとの両立もしやすくなった
未就学児の子どもがいる私にとって、時間の自由があるフリーランスという働き方は大きなメリットです。
急な予定変更や体調不良などにも柔軟に対応でき、今後のことも前向きに考えやすくなりました。
まとめ
「公務員を退職する」というのは、非常に大きな決断であり、不安も大きかったです。
実際退職してみた今は、家庭や子育てと向き合える働き方、自分のペースで挑戦できる生活を手に入れることができ、満足しています。
もちろん、金銭のことなど不安な面も多いですが、自分なりのペースで進んでいこうと思います。
この記事が公務員の退職に関して悩んでいる方にとって、また、具体的な手続きについて知りたい方の参考になれば幸いです。

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