この記事は令和6年3月に実施された年金アドバイザー2級試験に47時間で一発合格出来た記録となっています。
この記事を読む事で以下のことが分かります。
・勉強法
・使用教材
・試験当日の様子
・各問題の対策方法
受験動機
年金アドバイザー3級試験については令和4年3月に受験しており、一発で合格しています。
そして令和5年度の社労士試験に受験するも不合格になったことを踏まえ、年金に特化したこの資格を受験することで年金を得意分野としたいとの思いから本試験を受験をする事にしました。
勉強法
受験にあたりまずは問題集を購入しました。
問題集は直近8回分の過去問が掲載されていますが、旧制度のまま出題されている問題も多いです。
問題の解説部分で、該当問題について旧制度である旨は触れていますが、問題部分は法改正には対応していないので当この辺りは注意したいポイントです。
問題集に取り掛かります。
古い年度の試験から開始し、8回分を全て一通り解きました。
1周目をやり終えた感想としては、かなり難しいが、ある程度パターン化しているので繰り返していけば対応は可能というように感じました。
あまり古い年度のものは法改正されている箇所も多いので繰り返す意味は薄いと考え、2周目は直近5回分に絞り問題集の周回を行いました。
特に頻出の年金額の計算については、以下の加算等に関して忘れがちになるので気を付けたいポイントです。
老齢基礎年金→振替加算
老齢厚生年金→加給年金、経過的加算
障害厚生年金→加給年金(特別加算無し)
遺族厚生年金→中高齢寡婦加算、経過的寡婦加算
最終的には5回分のみではなく、残りの3回分についても、解くまではしないにしても問題と解答を読むなどして問題に触れるようにしました。
また、法改正されている箇所については、出題されないだろうと判断してバッサリと捨てました。
法改正対策
問1は例年法改正問題が出題されるのでその対策が必要です。
問題集の冒頭部分に改正法等のポイントが記載されているので、こちらを繰り返し読めば対策になります。
年月日や数字の細かい部分についても問われると考え、この点にも注意しながら繰り返し読みました。
論述対策
試験では制度の説明や受給要件を満たしている理由など、論述問題が必ず出題されています。
勉強開始当初は問題集の周回を優先していたため、論述については問題と解答を読み、なんとなく単語を書ける程度にしていましたが、試験1週間前から文章として書けるように対策を行いました。
具体的な対策方法ですが、問題集で出題されている論述の問題とその解答例をまとめることから始めました。
実際にまとめてみると、同じような事例が何回も重複して出題されている事がわかります。
頻出の問題については他の受験生も対策してきている箇所なので、間違える事の無いよう特に対策が必要です。
問題を見て解答を導けるように、何度も繰り返しました。
一方で、頻出でない問題については深入りせず、解答を眺めて理解しておく程度に留めました。
最終的な勉強時間は約47時間で本試験に臨む事となりました。
試験当日
会場は専門学校で、他の銀行業務検定の試験と一緒になって行われました。
年金アドバイザー2級の教室は1室のみ。座席は50弱で実際の受験者は30人弱といった所でしょうか。
そして試験が開始し、まずは問10から取り掛かりました。
試験時間が3時間あるとはいえ、計算問題や論述が多く、時間が足りなくなるという事は去年までの受験者からもよく聞いていたので、比較的時間が掛からないであろう問題である後ろの方の問題から問いて行った方が良いと判断したためです。
その後は問9→問8・・・→問1の順で解き進めて行きました。
分からない問題は飛ばして後に回しながら解き進めていきました。
論述問題もあり、文字をとにかく書くので手も痛くなります。
計算問題で深入りしてしまった問題もあり、全問題を終了した時点で残り時間は約20分でした。
そこから全問題の見直し及び飛ばした問題に取り掛かり、最終的には余った時間は1分もありませんでした。
とにかく時間が足りないということを身を持って体感しました。
手応えとしては、合格点である60点に届くか届かないかギリギリのラインかなという感覚でした。
合格発表まで約2ヶ月間、結果を待つばかりとなりました・・・。
各問題の対策方法
問1 法改正
穴埋め問題及び記述問題。
マクロ経済スライドや特例的な繰り下げみなし増額制度についての理解が問われました。
高年齢雇用継続給付については将来の法改正を問われたので全く対応出来ず。
やはり制度の趣旨を理解した上で文章で書けるようにする事が大事だという事が分かる問題でした。
法改正問題なので問題集の冒頭部分である程度は対応出来ますが、満点はかなり難しいと感じました。
問2 老齢基礎年金
問2はほぼ毎回老齢基礎年金の月数、年金額を問われるようになっているので過去問を繰り返し問いて慣れるようにしたいところです。
今回、文章の誤っている箇所を指摘させる問題は過去問には無い新しい出題形式だと感じました。
問3 老齢厚生年金
問3も頻出の老齢厚生年金の計算問題。
こちらも過去問で慣れていきたいところです。
今回は更に失業給付との関係を聞いて来たので、この辺りの関係も確実に理解しておきたい所です。
問4 在職老齢年金・雇用保険の給付・年金額改定等
基本月額、総報酬月額相当額、支給停止月額を答えさせる典型的な問題は得点源にしておきたいです。
支給停止調整額が受ける試験の日は何万円になっているかどうかを把握しておくことも大事です。
特に問題で与えられないため、事前に正確な数字を確認しておきましょう。
問5 経過的な繰り上げ支給の老齢厚生年金
繰り上げ支給をした際の年金額の計算方法は過去問で慣れておきましょう。
昭和36年4月2日以降生まれとそれ以前で減額率が変わる点にも要注意です。
また、繰り上げ支給の際のメリット・デメリットを聞かれても答えられるようにいくつか解答を準備しておくと良いでしょう。
問6 障害給付
保険料納付要件(原則・特例共に)を具体例で答えられるようにしておくことと、年金額の計算については頻出なので過去問で繰り返し問いて慣れておきましょう。
得点源にしたい問題です。
問7 遺族給付
遺族厚生年金及び寡婦年金の受給要件は文章でしっかり書けるようにした上で、それぞれの年金額の計算方法も過去問で繰り返し解くことで慣れておきましょう。
問8 確定拠出年金制度
得意不得意が分かれる問題かと思います。
問題形式も毎年決まっている訳では無いのでどんな問題が出ても対応出来るように過去問で触れられた箇所は最低限理解しておきたいですね。
また、iDecoの掛け金額の上限は法改正が繰り返されている所なので要確認です。
問9 年金と退職金の税金・医療保険
税額及び退職所得を求める問題が毎年のように出題されています。
ここはパターンが決まっているので過去問で繰り返し問いて慣れておきましょう。
得点源にしたい問題です。
問10 公的年金制度の周知、社会保障協定、脱退一時金
年によって出題される分野が変わってくる問題ですが、社会保障協定やねんきんネット、年金分割など、過去問で出題されている部分について解けるようにしておけば充分対応可能かと思います。
今回は社会保障協定の記述式の問題が難しく、ほぼ当てずっぽうでの解答となってしまいました。
試験結果
無事合格していました!
合格率は20.99%なので例年並みかと思われます。
得点を問題別に見てみると、平均点で下回っている問題は無く、苦手問題を作らず全体として満遍なく点数が取れたことが合格出来た要因だったと思います。
問8の確定拠出年金の問題は4点と低い点数でしたが、全体の平均点も2.64と難問だったと言えるのでここは仕方ないでしょう。
試験所感
試験範囲の広さ、試験時間の足りなさ、問題の難易度を総合してもかなり難易度が高い試験であると感じました。
それでもなんとか47時間の勉強時間で合格出来たのは、効率良く勉強が出来たからだと感じます。
ある程度の知識(社労士試験受験生など)があることを前提とした上で、効率良く合格するためには以下の事が重要だと感じました。
・過去問題集に絞って繰り返し学習する
・法改正前の古い問題はやらない
・論述対策は疎かにしない
過去問題集に絞って繰り返し学習する
公式の問題集一冊あれば充分試験に合格可能だと思います。
60点で合格なので本試験で全く分からない問題が出たらそれは捨て問と判断してスッパリ諦めましょう。
一方で、老齢基礎年金の計算や税計算など、毎回決まり切ったパターンで出題される問題は逆に落としてはいけません。
繰り返し解く事で身体に染み込ませたいところです。
法改正前の古い問題はやらない
問題集には過去8年分の問題が掲載されておりますが、前述の通り法改正には対応していないので古い法制度の状態のまま出題されます。
こういった問題も出るんだな、程度に留めて深入りせず、ノータッチにした方が他にその分学習を回せます。
論述対策は疎かにしない
過去問を見ると数年周期で同じ問題が繰り返し出題されている事に気がつくと思います。
そういった問題は他の受験生も対策してきているので、絶対に落とせない問題です。
私は過去問に載っている問題をエクセルでまとめた上で、問題を見て解答の文章を書けるように繰り返し取り組みました。
論述問題についても出題頻度が多い問題と少ない問題があります。
例えば「障害給付や遺族年金などの保険料納付要件」、「年金の繰り上げ・繰り下げ受給のメリット・デメリット」などは頻出なので確実に文章を正確に書けるようになるまで身に付けるようにしておきたい所です。
一方、問題集で一度しか出題実績が無く、あまり重要ではなさそうな問題については深入りしないことも効率良く学習を進めるポイントです。
今後
社労士受験に向けてこの資格を勉強した事で、年金分野について苦手意識がかなり薄まったのは言うまでもありません。
特に年金額計算問題についてはかなり自身になりました。
私個人的には社労士試験前に受験して良かったと感じました。
しかしそれなりに時間や対策も必要なので一般的には社労士試験合格後に受験される方が多いのも頷けます。
年金を得意科目にして今年こそ社労士試験合格を勝ち取りたいと思っております。
本記事が年金アドバイザー2級試験を受験される方への参考になれば幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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